短歌ヴァーサス 風媒社
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★短歌ヴァーサスは、11号で休刊になりました★
2004.8.2〜2006.6.30の期間(一時期、休載期間あり)、執筆されたバックナンバーをご紹介します

 
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伊勢谷小枝子

 
スープ

 大学生の頃、GWに5000円しかなく、郵便局では5月3日〜5日にお金が引き出せず(当時)、まあそんな用事もないので無事に過ごせた。クレジットカードも持っていなかったので(当時)、たいしたもんだと思う。そんな5000円の中から、友達のバンドのテープ(当時はCDではなくテープだった、バンドの音源は)800円(当時)を購入して、のちに「(所持金に対して)すごい割合の買い物をしてくれてありがとう」と言われた。ネオアコ全盛時代(当時)で、その人はセーターが似合う男第1位だった(当時)(そして今も揺るがない第1位)。ネオアコとセーターは関係ない。そしてネオアコ全盛時代っていつだ。
 さてこのGW、わりと無表情無感情で短歌を読み上げ(「笑いの暴走自転車」という肩書き(?)の人とかぶるつもりはなかった)、結果としては、月末にチューリップの里に行くことになったことは、事件的。その時期、満開とのこと。子どものころ(当時)ピアノの黒鍵だけで「チューリップ」や「メリーさんの羊」とか弾いて遊んだ気がする。羊肉のスープカレーを食べた。観覧車を眺められるところで。GWには、その観覧車を、乗り場近辺から、見上げた。予想よりは並んでいなかった(オープン初日の夕方当時)けど、乗るのは思いとどまった。
 ひょろ長い2人組の握手会では、札幌名物の話があり、「スープカレーって、どんなの?」(←ひょろ/客→)「ス―――プ」 「ルーは、どうなってるの?」(←ひょろ/客→)「ス―――プ―――」 ああ一体感。短歌の本をプレゼントするという勝手な使命も果たし、GW中の最も大きなイベント(当時)は終わった。GW初日のことだけど。それよりも大騒ぎしたのは、初めて、洗車(ホースを持って自分で洗う形式ではなく、トンネル(?)に入っていく形式の)をしたときのこと。四方八方で回転するモップ(?)と、フロントガラスに迫り来るバー(「このバーは自動で上がります」と書いてあるけど、迫り来る!)に、車内で悲鳴。
 GW最終日、仕事に行き、隣の人の「リフレッシュできた?」という質問に、つまる。雑談のしかたを忘れていた。リハビリが必要だった。
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