|
|
|
|
■内容説明
1917年に始まった鳴海小作争議への献身で知られる法学者・雉本朗造。時代と切り結んだ法学精神を体現した「学問と実践の統一者」は、いかなる土壌のもとに育まれたのか。彼の生涯を歴史的・総合的に紹介する。
|
■目次
まえがき
第一部―地域に刻んだ父祖たちの営み
一 『尾張名所図会』が描く世界から
『尾張名所図会』を生んだ人びと
東海道の情景
あゆち潟の史的世界 24
二 あゆち潟を切り拓いた人び
1 あゆち潟の地で
土に生きた父の背中に学ぶ
二つの島をつなぐ
2 前浜で塩をつくる
荒井から延びる塩の道
盛時を迎えた塩づくり
塩づくりの風景
衰退する前浜塩
三 牛毛・荒井村で才覚を発揮した人びと
1 多彩な人びとを輩出した永井家
「永井家系譜」との出会い
塩問屋を起業に
系譜にみる永井家の歴史
2 地域を視野に成長する雉本家の人びと
甦った「永代覚」(雉本家)
「永代覚」が伝える雉本家と地域の歴史
扇川水運(その1)―新田開発前
扇川水運(その2)―新田開発のなかで
天明改革と扇川水運
本格化した扇川水運
扇川水運を足場に成長する在郷商人
第二部―雉本朗造の生涯
一 苦境のなかでの誕生
維新の動乱のなかで
破産、苦境のなかで
二 秀逸な才能の片鱗を見せた小学校時代
親族に語り継がれた朗造像
鳴尾と熱田の学舎で
三 羽ばたく中等学校時代
一一〇年後に甦った青年像
「学友会雑誌」にみる雉本朗造像
四 法学の世界に進む
第一高等学校時代
東京帝國大学へ入学
「南鳥島事件」についての演習報告
「社会主義と法律」演習にみえる雉本
五 法学者の道で
清新な大学に迎えられて
留学で出会った師と法学理論
民事訴訟法学の地平を拓く
六 大学の外と内で
台湾旧慣調査会委員として
大学人として―学問の自由を希求して
大正デモクラシー期を生きる
七 鳴海小作争議を闘う
小作争議に引き寄せたものは
小作人の代表として
日本法律研究所を参謀本部に
反訴の理論とした訴権論
準備書面―法廷への主張
八 突然の、謎の死を迎えて
悲報に接した人びと
遺影と墓の前で
死因をめぐって
和解で手にしたもの
九 戦後に甦った雉本民訴法学
司法研修所資料となった論文
挙証責任の分配の意味
「挙証責任の分配」が提起したもの
第三部―顕彰と継承 博士の遺徳と争議を語り継ぐ
一 民訴法学の礎となった論文集
二 今も受け継がれる銅像祭
許されなかった銅像建立
除幕式を迎えて
青山由太郎の思いと残したもの
語り継がれた博士の恩と争議への思い
三 博士の墓前に花を手向け続けて
四 実父の論文集に発奮した俊平青年
贈られた本から垣間見られる親子
実父の存在と葛藤し、学問を志す
五 「みどりの唄―鳴海小作争議と雉本朗造博士」に甦る絆
感動の舞台をつくった人びと
それぞれの思いが一つとなって
再演への夢を生む舞台
第四部―資料編
雉本朗造の生涯(年譜)
雉本朗造の学問(研究論文等一覧)
雉本朗造の顕彰と研究の歩み
「永代覚」(雉本家)
あとがき |
|
|