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■内容説明
理念と現実とを架橋するグルントヴィの哲学〈生の啓蒙〉の成立過程を丹念に辿りながら、人間中心主義を越えた独自のヒューマニズム論の核心を取り出す。デンマークを代表する思想家の全貌を伝える古典的名著の本邦初訳。
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■目次
まえがき
第二版へのまえがき
序 デンマークの人間的生についての省察とグルントヴィ
一 本講義をめぐる時代状況
時代の悲しみと不安/魂の豊かさの省察/現実であることの困難
二 グルントヴィが案内するもの
三 観る人にして吟唱詩人
グルントヴィの不分明さ/吟唱詩人としてのグルントヴィ
第一章 幼年期と青年期
「ウズビュの庭園」の日々/ユラン半島へ/啓蒙の時代の子/啓蒙の宗教性/コペンハーゲンへ/シュテフェンスとの出会い/平板な学生時代
第二章 悲恋とロマン主義
コンスタンス・レスとの邂逅/絶望と生の肯定/ヴィジョンのある生形式のロマン主義/詩情と現実との一体性を求めて/フィヒテとシェリングを支えとして/北欧神話記および歴史へ/新たな生の亀裂
第三章 危機の時代
ファルケンドルフの学寮での活動/キリスト的預言者の自己確信/精神の亀裂/ロマン主義との決裂とルター派キリスト教
第四章 ルター派キリスト教
故郷、「ウズビュの庭園」で/エレーンシュレアー、ミュンスターとの決別/時代の不信仰との闘争/『世界年代記』の波紋/ロマン主義、敬虔主義との距離/民属・民衆的生世界へ/人間という森での彷徨
第五章 歴史・教会的ヴィジョン
新たな思想原理の模索/精神の発酵/生ける人々の国/合理主義者クラウセンとの論争と新たな教会観/類まれな発見
第六章 その後の年月
クラウセンとの闘争とグルントヴィ派の形成/イギリス訪問と『北欧神話記』/賛美歌作歌、歴史家として/ヴァルトウ教会での活動へ/自由の闘志として/晩年のグルントヴィ/グルントヴィを越えて生きるもの
第七章 人間的なものと民属・民衆的なもの
グルントヴィとデンマーク的なもの/人間とは何か/精神について/民属・民衆性(フォルケリヘズ)/自由の思想/デンマーク的なものとは何か/祖国讃美の理由
第八章 学校
「自然の秩序」のもとに/学校の課題としての生の啓蒙/学校と教会/学校と民属・民衆的なもの/ソレーとヨーテボリのホイスコーレ構想/構想の挫折とその遺産
第九章 まずは人間、しかる後にキリスト者
グルントヴィのヒューマニズム/人間性はキリスト性に先立つ/民属・民衆性はキリスト性に先立つ/教会の尖塔が置かれたデーンの防塁
第十章 教会
歴史・教会的ヴィジョン/学者から教会を解放する/グルントヴィとカトリック/宗教の自由
終 章 吟唱詩人
例外的「詩人」グルントヴィ/祖国愛の詩人/民属的なものとキリスト的なもの/生の状況の斥候/詩の形式とかき鳴らす絃/賛美歌の創作/賛美歌の言語と様式/グルントヴィの賛美歌への入門/間民属・民衆的(メレムフォルケリ)なもの
参照文献
訳注
コックのグルントヴィ論――訳者解題
略年譜
関連文献
索引 |
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