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■内容説明
昭和初期の日本の山村文化を調べてきた研究者がヨーグルトの国・ブルガリアを旅した。ミルクと肉を食べるという、60年代以前の日本とは180度異なる文化を辿り、私たちの家畜観、忘れかけた伝統的生活技術の意味を考察。現代の食生活を問い直す紀行エッセイ。
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■目次
プロローグ
1 情報のエアポケット、東南ヨーロッパ
2 ブルガリアの第一印象
3 リラの僧院へ
4 スタラザゴラからヴェリコタルノヴォへ
5 ヴェリコタルノヴォとアルバナシ村
6 もう一度行ってみたい
7 二度目の訪問
8 ブルガリアの簡単な地理と歴史
T 農業をたずねて
1 ブルガリア農業の中心にある牧畜
2 トラキア平原の農家をたずねる
@ペットモギリ村の農家のすまい
Aコムギを中心とする輪作
B野菜、ジャガイモ、豆類は穀物と別の畑で
C休耕した畑での放牧は聞かれなかった
D羊の放牧
3 山村でみた羊の放牧
@アルダ村でみた羊の乳絞り
A山腹を上下に羊を移動させる放牧(垂直移牧)
4 オスマン帝国時代の大規模移牧
【コラム】
ブルガリアの家畜
ブルガリアの穀物生産と消費の特徴
ブルガリアのコメと蚕
ブルガリアの高齢化と小規模「農業」
トウモロコシとヒマワリの茎は燃料
チョルバジィヤはどんな人物だったか
U 羊飼いとその家族
1 放牧に携わる羊飼いの生活
@羊飼いの仕事
A羊飼いは何を食べていたか
2 羊毛の処理は女性の仕事
@井戸端会議をしながら糸紡ぎをする
A刺繍は家事能力のシンボル
3 日常生活の様子
@食事は床に座って「ちゃぶ台」で
A赤ちゃんが生まれてから40日間は人に見せない
Bブルガリアのトイレ
【コラム】
エタラ民族博物館に水力利用技術の粋をみる
国際民族衣装フェスティバルに遭遇
オスマン帝国時代のキリスト教徒が受けた生活上の制約
V 羊からの贈り物―ミルク、肉、羊毛
1 チーズ
@チーズは牧畜の最も重要な産物
Aチーズの作り方
Bシレネ
Cカシュカバル
2 ヨーグルト、バター
@ヨーグルトの作り方
Aバター
Bヨーグルトの食べ方
3 ハレの食べ物―羊の肉
@意外に少ないブルガリアでの羊肉摂取
Aまず食べられるのは雄の子羊―羊は去勢しない
B聖ゲオルギの日のご馳走―子羊の丸焼きとドロップサルマ
C子羊の解体
Dいけにえ羊のスープ―クルバンチョルバ
Eその他の食べ方
4 ブルガリアには多様な羊毛を産出する羊がいた
【コラム】
シレネはブルガリアの食文化を代表するチーズ
シレネはブルガリアの味噌?
動物ごとに異なるミルク・チーズの風味
チーズとヨーグルトの関係
W 山林に放牧される豚
1 ヴェセリノヴォ村への道
@ブルガリアには、原種のような放牧豚がいる!
A車窓から見るブルガリアの農村地帯
2 東バルカン豚はどんな豚か
@放牧豚に出会う
A絶滅しかかった東バルカン豚
B繁殖のさせ方・育て方
3 東バルカン豚の保全を目指して
@肉のおいしさには太鼓判
A経済的に成り立ちにくい肉の価格
B他にもある障害
C保全に向けて
【コラム】
豚という家畜
X 寒い時期のご馳走―豚肉
1 豚について尋ねたい
2 豚小屋で飼われる豚
@子豚の入手は近隣地域からと自家繁殖
A豚の育て方
B豚を屠るのはお祭り
C豚の食べ方
@)ソーセージ
A)他の食べ方・利用法
【コラム】
豚飼いとは
ブルガリアのイスラム教徒
Y 肉を食べるための家畜―豚へのまなざし
1 豚肉食をタブーとするユダヤ教
2 『旧約聖書』レビ記11章と申命記14章
3 キリスト教には食のタブーがない
4 バアル宗教では猪(豚)が聖なる動物だから
5 古代イスラエルは羊などを屠る祭儀で信仰を口伝
6 豚肉食の禁忌規定は申命記改革から始ま
7 豚は農耕民族の豊饒のシンボル、豚の史料が見つからない
8 豚肉食タブーは牧畜民族のアイデンティティーを守るため
エピローグ
1 家畜の多様な品種の宝庫―ブルガリア
2 家畜が必須要素の農業
3 牧草、ミルク、肉は何も無駄にしない
4 文明の十字路、ブルガリア
5 伝統的技術を伝承し、生かすには
[特別寄稿]ペタル・ニコラエフ/アントアネタ・ニコラエヴァ
България през японски очи
Bulgaria through Japanese Eyes
参考書・文献・ウエブサイトアドレス
あとがき |
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