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草原と都市
変わりゆくモンゴル

著者: 編著者: 石井祥子・鈴木康弘・稲村哲也

本体価格: \1,600(税別)
サイズ: 四六判並製 216頁
ISBN: 4-8331-0569-9
発行年月: 2015年4月刊

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■内容説明

90年代の民主化以降、激動を続けるモンゴルはどこへ行くのか? 急激に膨張する都市やマイノリティ社会の現状、そして自然環境の変動や災害の視点からもモンゴルの今をレポート。彼らの遊牧民的な気質や生活様式を通して「しなやかな社会」のあり方を考える。
 

■目次

プロローグ―悠久のモンゴル、激動のモンゴル

第1章 モンゴルとはどのような国か 鈴木康弘
空路モンゴルへ/モンゴルの第一印象/多彩な自然とその恵み/ひとと社会

第2章 モンゴルの人びとと暮らし 稲村哲也
1 社会主義から市場経済へ―1990年代の変革
転換期のモンゴルを訪ねる/元朝の流れ/ハルハとモンゴル独立まで/社会主義から民主主義・市場経済へ/大民営化(国営企業民営化)と小民営化(地方レベルの民営化・私有化)/ゴビ地方のネグデル(農牧業組合)/ウランバートル近郊の国営企業(農牧業)の解体/市場経済化後の遊牧民/広がる都市と地方の格差
2 モンゴル西部の少数民族カザフとエスニシティ
 (バトトルガ・スヘーギーン、石井祥子、稲村哲也)
「多エスニック国家」モンゴル/モンゴルのマイノリティ/モンゴルのカザフの来歴/カザフ遊牧民の生活とその特徴/カザフスタンへの移住/市場経済化・民主化によるバヤンウルギーの町の変化/伝統文化の復興と観光/イスラームの復興/モンゴルにおけるカザフ・エスニシティの位置づけ
3 トナカイ遊牧民「ツァータン」―激動のモンゴルに生きる辺境のマイノリティ
国家に翻弄された人びと/森の生活・トナカイの放牧/季節ごとの移動の生活/トゥバからの亡命/ネグデル(組合)とトナカイ飼養/モンゴルの市場経済化による影響/新しい時代への適応/「観光」の生産者として

第3章 遊牧の国の首都ウランバートル 石井祥子
1 ウランバートルの成り立ち
ウランバートルのいま/首都の歴史的変遷/モンゴルの独立・社会主義化、首都への人口移動/ウランバートルの都市化と市街地の形成/航空写真に見る社会主義時代のウランバートル市街地/民主化・市場経済化以降における市街地の拡大/ウランバートルにおけるゲル地区の位置づけ
2 ウランバートル市ナライハ区の炭鉱開発と少数民族カザフ
カザフが住むナライハ/ナウルズ祭を訪ねて/カザフ語や伝統文化およびイスラームの復興

第4章 土地私有化の進展と遊牧民気質 石井祥子
1 土地私有化とガンダン寺ゲル地区の生活
市場経済化の総仕上げとしての土地私有化/土地私有化の進捗状況/ウランバートル中心部ガンダン寺ゲル地区における土地私有化/ガンダン寺ゲル地区の住民の声/ゲル地区の成功者/多様なゲル地区住民/ゲル地区住民にとっての市場経済化、土地私有化
2 土地私有化にまつわる問題と遊牧民気質
土地私有化にまつわる問題/土地私有化における諸問題の背景―都市における「遊牧的生活戦略」/遊牧民にとっての土地/「市場経済原理」と「遊牧的生活戦略」

第5章 ウランバートルの急速な都市化とゲル地区再開発計画 石井祥子
1 急速に変貌するウランバートル
都市インフラ大改造―日本の貢献/高速道路と新拠点の建設/ウランバートルの都市計画/深刻な大気汚染とその対策
2 ゲル地区再開発計画の進展
ゲル地区再開発計画の意義/再開発計画に対する住民の反応/集合住宅化に対する反対意見/モンゴルにおけるレジリエンスとは?/ゲル地区の再開発について/草原と都市とゲル地区

第6章 モンゴルの自然災害とレジリエンス 鈴木康弘
1 最も恐れられる寒雪害ゾド               (森永由紀、篠田雅人)
ゾドとは/さまざまなゾド/20世紀以降のゾド/ゾドの予報対策/地球温暖化とゾド
2 希に起きる大地震
モンゴルの地殻変動/20世紀の地震と活断層/今後の地震対策を考える


【column】永久凍土 檜山哲哉

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