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■内容説明
ブルガリアの伝統的な豚の利用法を現地取材し、豚肉食タブーをめぐる歴史もひもときながら、農業大国フランスの先進的な食糧生産の実情や、日本の敗戦後の食文化の変化をたどる――。これからの農業はどこへ向かうのか。食べることの本質とは?
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■目次
はじめに
T 豚―肉を食べるだけの家畜
1 冬に向かう前のお祭り
伝統的な豚の食べ方を知るためにブルガリアへ
豚の解体作業に携わった方々
豚を屠る
豚の毛を除く
解体作業がはじまる
腸を処理する
解体作業が続く
カルバビッツァ(ソーセージ)を作る
皮下脂肪のついた皮を処理する
部位別の利用法
ルカンカ(ソーセージ)を作る
豚を食べ物にすることは生活暦に組み込まれたお祭り
【コラム】家畜の命の絶ち方
2 東バルカン豚を味わう
東バルカン豚を放牧する森
東バルカン豚の扱い方を見る
東バルカン豚を解体する
ブルガリアでの東バルカン豚の扱い
東バルカン豚のおいしさに驚く
【コラム】肉を食べることを考える
3 世界の豚肉・ヨーロッパの豚肉
世界の豚肉の生産と供給
ヨーロッパの豚肉
【コラム】FAO統計(FAOSTAT)
4 豚へのまなざし
1 肉用家畜がいなかった日本
狩猟、漁労、採集の縄文時代
水田稲作が始まった弥生時代
古墳時代に持ち込まれたブタは定着しなかった
コメだけでなく肉もあった豊穣を祈る祭りの供物
肉食禁止令で肉を食べなくなったか?
江戸期の生活技術を持つ白川郷のあねさまと出会う
正月前にみそ玉を握る白川郷の生活暦
火薬の原料焔硝を売り、コメを買う
いつからみそ玉味噌は作られていたのだろう
食べる目的で家畜を殺すことはなかった
2 「豚」:欧米人には口にするのもはばかられる言葉
「pigという言葉を使ってはいけません」
「『豚飼い?』そんな言葉を使いましたか?」
ヨーロッパでブタが人の排泄物を処理する
「あれ? 豚ではなく、いのししなの?」『聖書』(新共同訳)の記述
『聖書』(新共同訳)では「豚」が「いのしし」になったのはなぜ?
5 聖書にみる豚 豚肉食タブーのルーツ「レビ記11章」
食べてよい動物と食べてはいけない動物
古代イスラエルの歴史
レビ記はバビロン捕囚後、前6〜前5世紀に書かれた
焼き尽くすいけにえと種を入れない小麦のパン(1章、2章)
煙は神へ、肉は奉納者が食べる(3〜7章)
規定に反する祭儀は神の怒りを招く(10章)
聖なる者になるには汚れた物を食べてはいけない(11章)
なぜ豚は汚れているのだろうか
ブルガリア料理 いけにえ羊のスープ
神への献げ物は血生臭い
アルバナシ村の教会では女性は祭壇には近づけない
「肉を食べる」とはいのちを感謝していただくこと
国を滅ぼされた民がそのアイデンティティーを守る姿
U 先進工業国フランスの食
6 車窓から見た農業大国フランス
フランスの畑作の風景
フランスの農産物生産量
車窓から見た牛の放牧
100%を超えるフランスの食料自給率
【コラム】フランスの牛肉
7 フランスでみた現代農業の方向性
1 ワインの国フランス
生産量からみたフランスワイン
ワインからみたヨーロッパ
ブルゴーニュのワイナリーをみて
【コラム】激減したフランスのワイン供給量
2 チーズの国フランス
フランスのチーズ売り場
フランスのチーズの食べ方
羊乳のチーズ農家を訪れる
羊の飼育方法
搾乳からチーズまで
チーズを味わう
チーズ作りで目指すもの
羊乳のこれからは?
3 フランスで感じた農業の姿
【コラム】世界のミルクとチーズ
V 日本の食のこれから
8 肉を食べるようになった日本人
肉種別供給量の推移
摂取量からみた日本の肉
国内資源だけで生産できる日本の肉はわずか
環境負荷の大きい日本の肉
肉の必要性が高い高齢社会・日本
【コラム】世界の肉
9 日本の食を支えるコメ
日本の穀物生産
供給量からみた日本のコメ・フランスのコメ
水田の稲作と畑の麦作
日本人の栄養を支えてきたコメ
ブランド化が進む日本のコメ
生き物をつなぐ水田
おわりに
参考書等 |
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