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■内容説明
今から200年前に、花祭の里として知られる三河の山村で初めて天然痘予防の種痘を実施した菅沼昌平。自身の家伝と一代記である本書は、日々の出来事を率直に書いた告白録であり、儒学者として論語等を引用しつつ綴った記録は、子孫へ向けた人生指南書でもある。
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■目次
はじめに
解説
坂柿一統記(抄)
序
1 坂柿一統記序
2 坂柿一統記自序
3 付言
第一 家伝
1 菅沼姓の始まり
2 中設楽村の由来
3 菅沼新三郎・四良太夫・与平、三代
4 御竿請与兵衞定椿代
5 中興七良兵衛春国一代
6 与平定賢代
(1)与平、侍に立ち向かう
(2)与平の少年時代
(3)七良兵衛の苦悩とその後
7 本郷の豪傑男 伊勢路を行く
8 老後の生活保障
9 持山と入合
10 せきれい橋
11 お鍬祭り
12 父宗碩コ代
13 中設楽の花祭りの始まり
第二 昌平の少年時代
1 出生
2 嘘と実の善し悪し
3 迪を恵む
4 髪型の流行
第三 医業を目指す
1 医業への目覚め
2 結婚
3 信州飯田本山良純へ入門
4 屈原「漁父の辞」を思う
5 本山良純退塾
6 医業始める
7 傷寒の経験
8 冨田用水の開設
9 わけ登る麓の道は多けれど
10 京都吉益南涯へ入門
第四 地元での医業生活
1 離婚を考える
2 長寿安養秘伝の巻
3 病床の恋患い
4 役人不信
5 狂犬に襲われる
6 徒然草から一言
7 世話好き
8 俳諧を楽しむ
9 諌めを受ける
10 遊女の世話
11 医は仁の術なり
12 多勢に従わんや
13 殺生を禁ず
14 誠の仁者
15 三河で初めての種痘
16 物忘れ防止策
17 中庸の諌め
18 長年経過した貸金証文の効力
第五 新城での医業生活
1 新城移転の決意
2 新城での開業祝い
3 茶席のとまどい
4 諌めに弁明する
5 秘密 天福自得論
6 金色の切粉砂
7 論語読まずの論語知り
8 「一統記」を、なぜ書くか
9 惻隠の心は仁の端
10 菅谷周迪の措置
11 最愛の息子を亡くす
12 新城の生活
(1)天王祭
(2)角力取り鉄玉で狂歌
(3)大根講で狂歌
13 郷里へ帰るべきか
14 神農講
15 密かに博奕
16 雨乞い
17 気象観察
(1)白毛降り
(3)流星
(3)地震
(4)豆降り
(5)天候予知法
第六 郷里での生活
1 早朝の火事と帰郷
2 折々の俳諧
3 猪狩りと殺生
4 持山と持たざる者
5 昌平塾の学則
6 喜びも悲しみも
(1)元服祝い
(2)草津まで湯治旅行
7 妻の死別と再婚
8 井道(山田用水)の修繕・再作
9 祭りの後始末
10 変死事件の処理
11 伊勢お蔭参り
12 家塾での子弟教育
(1)祖父七郎平の代
(2)父宗碩の代
(3)昌平の代
13 菅沼家の家計
第七 名主後見として
1 議定論騒動への関与
2 大風雨・市場の大火
3 江戸・上州への旅日記
4 「大塩平八郎の乱」に思う
5 種痘法問答
第八 隠居後の思索
1 丈夫な子の育て方
2 いろは歌に潜む真理
3 食べ物のうまさ
4 博奕を好むことなかれ
5 道に背く者
6 父の最後を思い出す
7 書き残す筆に心は有馬山
8 遺言
【補遺】 歪められた真実―飯田の仇討事件
別表1 東栄町の江戸時代の石数及び戸数、人口とその後の人口の推移表
別表2 奥三河(振草郷)及び近隣地域における文政の頃の医者
別表3 年表
【参考資料】 菅沼家のルーツ探索
別表4 菅沼家系譜
別表5 「坂柿一統記」中における「論語」、「孟子」等からの主な引用句
【主な参考文献】
あとがき |
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