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■内容説明
医者だってふつうの人。鬱にもなれば、老親の面倒で四苦八苦。日々患者に寄り添いながら仕事をつづける老年科医師のちょっとおかしく、ちょっとしんみり、いい話。お医者さんがぐんと身近になる!
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■目次
T 大学医学部
東海豪雨
カバン持ち
学生時代
禁煙のすすめ
変わる団地、変わらない医療
学生と出席
居眠り
教育について
泥棒始末記
手帳と記憶の喪失感
自主ローテート研修
世の中面白いことがなければ何も面白いことはない
あいさつ
U 機内食
機内食の思い出
ニューヨークに母を偲ぶ
私にとっての信州の四季
偽中国人同士
秋の写真屋さん
ゴルフ
K先生
S先生と私
V 長男の憂鬱
終わらない老人介護
父の最期、無力な自分
長男の憂鬱、人ならでは
鬱の季節
心の病気
先行き痴呆
におい消え、感じた老い
みんなすこやかに老いている
来るべき不安におびえ
揺るぎないコミュニケーション?
W はてしない老人問題
人はやさしく制度は冷たい
介護の夫残し先立つ妻
これからの「老人問題」
「老い」は測れない
奥さんの復讐
高齢者の鬱病が増えている
死が無縁という錯覚
X 彼女に贈るメッセージ
彼女に贈るメッセージ
生きることは老化と同義
よく老化するにはコツがいる
科学の及ばぬ加齢過程
寿命はどこまで延ばせるか
長寿の極意は食事制限?
心がけ次第の生活習慣
肺炎防止に歯磨き励行
しわは人生そのもの
白髪は老化にあらず
「物忘れ」自覚は大丈夫
発作解決策、自分で探る
年取ると強くなる女性
老いへの関心 各分野に
第三期は宿題の仕上げ
Y 共感する能力を磨いて
共感する能力を磨いて
馬子にも衣装
医者について――日本航空の社医になって
人の悩みについて
オジサンについて
精算について
弓道から学んでほしいこと
大衆弓道と純弓道――弓道部に寄せる
野球部の部長就任にあたって
ホームベースの見えないサードランナー
あとがき――病院長就任にあたって |
■書評・紹介記事
「中日新聞」2005年1月28日
井口さんは昨年4月、法人化した同病院の初代病院長に就任。今回のエッセー集は、航空会社の依頼で書いた社内誌をはじめ、医学部の学友会や学会の広報誌、新聞など1985年から2004年までの間に執筆、寄稿した約60本の原稿を再編集した。
老いのメカニズムや制度の整備が進まない介護の問題といった専門分野の紹介はもとより、患者との愉快な交流や学生時代の思い出、古里信州への思い、父母の死などを記述。イラストも収めるなど、大学病院の裏側の人間模様が描かれた「白い巨塔」のイメージとは違った、楽しくもホロリとさせられる文章がつづられている。
かつて小説家を志していたという井口さん。出版の動機を「最近は文章から伝わるユーモアを目にする機会が少なくなった。お年寄りと接するこの仕事を通じて、しみじみとその必要性を感じていた」。そして「医者はやっぱり遠い存在。この本を通じて、その距離が少しでも近くなれば」と話す。 |
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