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■内容説明
中国帰国者とその子どもたちに関することばや生活の問題は、日本国内の就学生および留学生などの若い世代をはじめ在日外国人全般の問題につながっている。生活・学習支援、言語習得の課題を包括的にまとめ、外国人支援のあり方を考察する。
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■目次
はじめに
初めての出会い/増え続ける中国からの若者と子どもたち/どうして中国人就学生と中国帰国子女を比較するのか
就学生から留学生になって
第1部 中国人就学生と日本語学校
1 就学生の受け入れ
就学生と留学生は、どう違うの?/就学生は日本語学校でどのくらい勉強しているの?/日本語教育機関の特徴と地域特性/就学生はどんな新聞を読んでいるの?/国籍別外国人登録者数の推移/将来展望への自助努力
2 中国人就学生の話からわかったこと
親が勧める日本への就学/なぜ、日本語学校で学ぶの?/トライアングルの日常/日本語学校コミュニティの形成
3 中国人就学生は日本で何を思い、どんな生活をしているのだろう
日本で「中国」を学ぶ中国人就学生/呼び寄せとネットワーク/地域住民と就学生/お金がいくらあれば、日本で生活できる?/中国での生育環境と進学
4 中国人就学生は「聴く」ことが難しい
聴解に必要な現場臨場感/就学生のニーズ
5 中国人就学生を追跡してみると―中国人就学生は一年間にどのように変わったのか
生活の変化―中国人留学生の語りから/進学先機関/日本語・日本人観・社会的ネットワークの変化/追跡調査から
6 就学生の生活実態
アルバイトと学校生活/交流を望む就学生たち/就学生の受け入れ政策/就学生への支援/日本語教師の実態/ケーススタディ
第2部 中国帰国子女教育の草創期
1 中国帰国子女をとりまく言語状況
一九七〇年代に公立小中学校で行なわれた日本語教育/泰阜村の地域特性/最初の中国帰国者家族
2 中国帰国者への言語施策とは?
特別学級/グループ編成/中国で教職経験のある教師の配置と母語使用/普通学級での学びと人間関係の広がり/ぼくの口は口でない/新しい共同体/餃子作りを通して/ことばが真に「生きたことば」になるとき/校外活動/中国帰国子女の進路選択
3 中国帰国子女への日本語指導実践例
カレーライスと言語指導/特別学級における促音の指導例/作文指導/日本語文法と全校国語力調査/教師の役割
4 社会学級
子どもたちの文化変容と家族/親子間のコミュニケーションギャップと相乗効果/保健師による日本語学習支援/親の職業意欲
5 中国理解教育
泰阜村と中国社会/一般児童生徒への教育/人的リソースとしての中国帰国子女
6 人材ネットワーク形成と連携支援
官・学・民の連携/中国帰国子女教育研究協力校になってよかったこと
7 教育のコーディネーター
身元引受人と満洲引揚者による言語支援/家庭と地域と学校/「生活者」としての中国帰国者/中国帰国子女のライフストーリー/中国帰国子女とは、村にとってどのような存在か?/子どもの全体像をとらえよう
第3部 就学生と帰国子女の比較から
1 地域日本語教育と学校教育の併用型
言語を学ぶ順序の違い/地域に根づいたことば/日本語習得の前提が違う/支援担い手の類型
2 相違点と共通点――日本社会への受け入れを中心に
コミュニティ・ネットワークと受け入れ体制/言語的マイノリティと地域社会/受け入れ支援策
まとめ
支援のタイミング/授業の有機的連繋/架橋する支援/泰阜方式の教育への生かし方/私たちに何ができるのだろう
参考・引用文献
用語解説
巻末資料
謝辞 |
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